コープこうべの平和・国際活動

生活協同組合コープこうべ

PHDスタディツアー

今回のスタディツアーはPHD研修生(ページ下参照)の活動現場を訪ね、国際協力や開発の現状を知り、現在の日本の生活をふりかえり、これからの行動を考えることなどを目的としています。ツアーに参加した組織政策推進室職員の福嶋弘樹さんのレポートを紹介します。

1.はじめに

2007年8月22日(水)~8月31日の期間で、財団法人PHD協会主催のスタディツアーに参加しました。最初は不安でどうしようか悩みましたが、こ れまでの参加者のレポートなどを見て楽しそうに感じましたし、自分の視野を広げるにもいい機会だと思い参加させていただきました。

2.PHDって?

PHD協会という名前は、協同購入センターにいたころ掲示板に貼り出しているものを見た記憶がある程度で、ほとんど何も知りませんでした。PHDとは、PEACE(平和)、HEALTH(健康)、HUMAN DEVELOPMENT(人づくり)の略で、いずれもコープこうべが大切にしているものです。海外で、しかも貧困層の比較的多い地域でこういった事柄がどのように考えられ、感じられているかにも興味がありました。

3.滞在先について

インドネシアというとバリ島が有名ですが、バリの空港から、ジャカルタ、パダンと飛行機で乗り継いで、さらに車で4時間ほど走ったところに最初の目的地 の「タベ村」があります。「タベ村」は、標高1,200~1,300mの山間にある村で、赤道直下とはいえ朝晩は肌寒いくらいでした。イスラム教徒がほぼ 100%を占めており、コーランを読むための学校もありました(ちなみに、バリ島はヒンズー教)。電気は約10年前に来たそうで、それ以降、村の暮らしも 大きく変わってきたそうです。

村に到着するなり、歓迎のセレモニーがあり、幼稚園児や小学生の可愛らしい女の子たちが民族衣装を着て、軽快なリズムに合わせて踊りを披露してくれまし た。私が泊まったのは、PHDの元研修生で「タベ村」の村長さんでもあるアフダールさん宅でした。村では裕福な方で、テレビや洗濯機もありました。風呂は 水風呂というか、水浴び形式(マンディと言います)です。しかも、山間部のためかなり気合を入れて入らないと寒さで心臓が止まりそうでした。食事はお米を 主食に野菜のスープや鶏肉のから揚げ、魚料理が中心でした。野菜は、きゅうり、トマト、果物はバナナ、みかん、スイカを良く食べる機会がありました。ナシ ゴレン(焼き飯)、ミゴレン(焼きそば)といった料理も多く、各家庭で味はかなり違いました。若干、スパイスの効いた料理が多く、辛いものが苦手な私には つらいときもありましたが、日本人向けに少し抑えてくれていたようでほぼおいしくいただきました。

少し気になったのは、村ではゴミを集めて廃棄する習慣やシステムが整っていないため、とにかくゴ ミがやたらと目に付きました。生ゴミではなく、食べ物や生活雑貨などの包材です。かなり山奥の田んぼでも目に付きました。PHDの元研修生の女性は、日本 で保健衛生を学んだこともあってそのことを非常に気にしていました。わたしも今のままでは近い将来大きな問題になると感じました。

4.明るくたくましい研修生たち

「タベ村」に滞在中、食事をかねて元研修生たちの家庭を訪問しました。みなさん非常に明るく楽しい人柄で、たくましさを感じる方ばかりでした。村の現状や問題点、困っていること、日本で学んだことをどう活かしているか、またそのことでどのように改善されたかなどについて質問を受けていました。 農業、漁業の技術的なこともそうですが、行政への援助の申請方法なども日本で学んだそうです。そういった行政の援助を利用して道路や側溝の整備などに取り組んだそうです。それでも、まだまだ、車はおろかバイクでも厳しい道がたくさんあって、ライフラインの整備も厳しい状況でした(歩きながら思ったことは、旧日本軍の兵隊さんは、こういう道のりを重装備で歩いたんだろうなと想像したりしました)。 特に、来年の研修生を選出する「シランジャイ」という村は、「タベ村」からさらに小一時間ほど山道を登ったところで、電気もまだ来ていませんでした。そういった状況を、研修希望の方たちは、自分たちの力で切り開きたいという熱い思いを、PHDの担当者にぶつけていました。これまでの研修生もそうであったように、金銭的な援助ではなく、この状況をなんとかしたいという思いに対して、手を差し出しているのがPHD協会の役割なんだと確認できました。 また、女性のグループ組織を結成したり、協同組合(商品的なものを扱っているのではなく、むしろ生活を良くするためにお金を低利子で貸し付けたりするところ)を設立したりと民主的な動きも見られました。こういった動きや村の風景を見ていると、一昔前の日本の状況に似ていました。子どもも多く、将来的に家庭の労働力になると考えられている点なども共通していました。

5.無垢の笑顔

様々な研修生の頑張りや、村が少しずつ発展している様子に触れることができたことももちろん今回のツアーでの財産ですが、私にとって一番の思い出は現地の子どもたちとのふれあいでした。 みんな、とにかく最初は恥ずかしがりやで、はにかんで照れくさそうに挨拶をする程度でしたが、こちらからどんどん積極的に関わったところ、そのうち心を開いて接してくれました。わずか4日間の交流でしたが、最後のお別れの会で「さよならの歌」を歌ってくれたときには柄にもなくジーンときました。常にどこか控えめで、可愛らしい笑顔を見ていると「ああ、これが無垢の笑顔なんだ」と感じました。最終日にバリのデンパサール空港で日本人の家族をたくさん見ました。現地の子どもたちと目の輝きが違ったことがとても印象に残っています。

6.先入観の崩壊

今回のスタディツアー参加に当たって、自分の中にあった先入観や考えなどがことごとく崩れました。貧困層だけに犯罪などが多いのではないか、イスラム教の地域なので我々との交流にも制約があるのではないか、生活にゆとりがない分本当の笑顔を見せることなどできないのではないかなど・・・。初めて見て、触れて、直に感じなければ分からないことがまだまだたくさんあるのだと改めて認識しました。 また、子どもたちの笑顔を見ているとPHDのPEACE(平和)は、単純に「戦争」がない状態や物が足りている状態だけを指すのではない気がしました。また、研修生とふれあって、いかなる困難な状況も自分の力で打破することに意味があり、そういう人間はすごく魅力的だと肌で感じ、私自身今後の人生に活かせたらと強く思いました。多くのことを経験し、学ぶことができた今回のスタディツアーとそこで出会った全ての人々に感謝の気持ちで一杯です。そして、より多くのコープこうべの職員にこのスタディツアーに参加していただけたらと思っています。

(財)PHD協会

Peace(平和)、Health(健康)、Human Development(人づくり)の頭文字をとって名づけられた草の根の人々による国際交流・協力の活動をしている団体です。
日本とアジア・南太平洋地域との交流を通して、平和と健康を担う人づくりをすすめ、共に生きる社会をめざしています。コープこうべはこの趣旨に賛同し、支援しています。http://www.phd-kobe.org/

タベ村での歓迎セレモニーの様子。
こどもたちも、この時は緊張していました
研修生が幼稚園で歯磨きを教えている様子。
現地では、紙相撲を教えてあげました。
海辺の村(パシルバルー)の屋台喫茶兼漁師の憩いの場。マージャンみたいなゲームで遊ばせてくれました。
日本では見慣れた技術ですが、こういったビニールを使うことで雑草が生えず、質の良い唐辛子が出来るそうです。
現地のこどもたちと。とにかくみんな可愛かったです。
女生徒が9割の専門学校を訪問。人生で初めて、女の子の写真攻めに!つかの間のアイドル気分でした。