コープこうべの平和・国際活動

生活協同組合コープこうべ

ユニセフスタディツアー

報告

2009年度 ユニセフ・ラオス・スタディツアーの報告

「きょうどう」7月号で公募した「ユニセフ・ラオス・スタディーツアー」に、選考の結果、小川八重子さん(小野市)が派遣されました。以前からテレビなどで見る紛争地の子どもたちの姿に心を痛めていたという小川さん。退職して、次に自分に何ができるのか模索しているときに募集を知り、応募しました。
2009年11月15日から22日まで、全国の生協や日本ユニセフ協会から参加した10人とともに、ラオスを訪問。小川さんがみた現地の様子をご報告します。

ラオスという国

◆インドシナ半島の中央部、5カ国と国境を接する内陸国。国土の3分の2を山岳が占め、道路、通信、電力などのインフラ整備に遅れ。
◆総人口の73%が1日2ドル以下で生活。地方農村では、5歳未満児の40%が栄養不良。
◆人口の60%を占める低地ラオ族他、49の民族から成る多民族国家。言語や風習の違いが教育や行政の場で意思の疎通を困難に。

ユニセフによる教育支援活動

今回のツアーの目的は、ラオスの女性と子どもの現状を把握し、ユニセフのプロジェクト活動や支援の状況、地域の人々との関わりや変化を視察することでした。初日は夜9時にビエンチャンに到着。

2日目にルアンパバーン県へ移動しました。ここでは、小学校(5年制)と幼稚園を視察。ラオス政府は、国の将来を担う子どもたちの教育環境の改善に、非常に力を入れています。国民も教育熱心で、学校を作るときに、村人が材料や労力を提供することもあるとか。ユニセフは、政府や地域住民と連携をとりながら、さまざまなプロジェクトを推進してきました。その甲斐あって、初等教育就学率は84%と低くはありません。しかし4割近くが中途退学してしまい、識字能力を身につけないままだそうです。

最初に訪れたパーデング小学校では、子どもたちも先生も「サーバイディ!(こんにちは)」と笑顔で迎えてくれました。まず、真新しい校舎に驚きました。特にトイレはユニセフが提供したもので、山の湧き水をパイプで引き込み、ラオスの農村ではまだ少ない男女別の個室になっていました。

 

教室では子どもたちがテーブルに分かれてグループ学習をしていました。これは訓練を受けた教師ならではの指導方法だそうです。しかし、子どもたちの持ち物や服装に目をやると、日本のランドセルや「さんすう」と書かれたノートもありました。物資が確実に届いていることは喜ばしい反面、外国の援助なしには教育現場が成り立たない現実を目の当たりにした思いでした。

地域の力・ボランティアの力

11月18日はナン郡ナクン村で実施されていた"子どもの総合的保健デー"を視察しました。そこには乳幼児を連れた母親が大勢集まっていて、ポリオワクチン接種とビタミンA補給、虫下し剤の投与が行なわれていました。戸籍や住民票が未整備のこの国では、村人の家族構成をよく知る村の女性ボランティアが、行政と住民との橋渡しをしているそう。「とにかく子どもを連れてお寺に来なさいと言われて来てみたら、いいことがあった」と話してくれた若い母親の笑顔が印象的でした。

再び、ビエンチャンに戻ってからはストリートチルドレンセンターを訪問。幼児から10代までのたくさんの子どもが保護され暮らしていました。滞在中は、街中に出る機会が少なく、ストリートチルドレンの実態を見ることはできませんでしたが、センターを視察し、都心は農村とはまた違った問題を抱えていることを知りました。

ツアーを終えて

支援を受けながらも自らの力で、取り巻く環境や状況を良くしようとしている人がいること、募金が大切に活用されていることを知りました。と同時に一方的な支援ではなく、受ける側も一緒になって継続性をもって活動することの大切さを学びました。

 

貧しいはずのラオスの人からおもてなしや思いやりといった豊かな心を教えていただきました。その暮らしが少しでも楽になるように、また、子どもたちが将来、自分たちの力で国を支えていけるようになることを願って帰国の途につきました。